大阪高島屋で開催中の「一竹美術館開館10周年 久保田一竹辻が花回顧展」(4月3日まで)にいってきました。
室町時代に栄え、江戸時代初期、つまり300年ほど前に忽然と姿を消した「辻が花」。そのため幻の絞り染めとも言われるそう。久保田一竹は20歳の時東京国立博物館で見た室町時代の「辻が花染め」の魅力に取りつかれ、召集・復員後、40代から辻が花染め再現のための研究を開始、食うや食わずで20年を過ごし(ついてきた奥さんも偉い〜)、60歳にしてやっと納得のいく作品を完成、国際的に高い評価を得ます。戦場で、辻が花を染めずに死ねない!と思い帰ってきたとか。その執念を感じられる辻が花の数々を見ることができます。
「一竹の命を染めしこの辻が花生きよ華やげ幻ならで」
本当にこの言葉がずしんと心に響く一竹さんの世界です。最初の作品「幻」は、夜の闇に桜の花が浮びあがる幽玄の世界。これ好きだなあ。深い黒い地の部分に、赤も紫も様々な色が見えるようなのは、布を買うお金もないため、何度も何度も染め直した結果なのだそう。
「富士」のシリーズと宇宙を表現した「光響」も出来上がった分だけ来ています。作り手の執念と情熱を感じる作品達でした。このオーラを放つ作品群の前には、好き嫌いも吹っ飛んでしまいます。
スミソニアン自然史博物館でで一竹展が開催された時、一竹辻が花の能衣装を着て公演を行った能楽師・梅若猶彦さんの言葉もビデオで流れていましたが、「皮膚と衣装が対話して、そこから生まれてくる動きがある」というような事をおっしゃってましたが、展示品を見ていると、それも納得。命がこめられた衣装を身にまとうと、身体にそれが乗り移り、つきうごかしそうですよね。スミソニアンの時の衣装も展示されていました。
行ってよかったです〜♪
一竹さんのビデオのダイジェスト版や一竹美術館での舞踊公演「舞衣夢(マイム)2005 富士山縁起・富士を護りて数千年」のビデオも流れていました。
久保田一竹美術館のサイトの
トップページの一番下の回顧展のリンクにアクセスすると、幾つかの展示品の画像があります。
この回顧展は読売新聞主催なのですね。
高島屋カード提示で半額です。