こいちゃの日記

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2009.03.13 Friday

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イサム・ノグチ展@滋賀県立近代美術館

2006.07.24 Monday 21:35
滋賀県立近代美術館で開催中の「イサム・ノグチ −世界とつながる彫刻−展」(9月18日まで)に行ってきました。力強く温もりのある彼の作品を堪能した展覧会でした。 
noguchi1
これは、横浜美術館とどこだったっけか?高松よね。3館の企画で開催される展覧会だそうです。大きく重い作品は展示できなかったのですが、初期のテラコッタなど、今まであまり眼にされなかったものも出てるので楽しんでいただけると思います、とは学芸員さんのお言葉です。

イサム・ノグチについては、軽くビビビっと来たのが何年前だったか、大原美術館にさりげなく置かれていた彫刻作品。

それまでは、ノグチについては、日本人の父と米国人の母を持ち、どちらの国にいっても異邦人でありアイデンティティーに悩んだとか、大戦をはさんで両国で苦汁をなめたとか、早くに別れた父との確執に悩んだとか、そういった壮絶な面ばかりが印象に残り、でもって、彼の作る彫刻は眼にする限りぴーんとこないな〜・・・と食わず嫌いでいたのです。

でも、大原美術館で、何を感じたかはうまくは説明できないけれど、その存在感に「おや?」と感じて以来、彼の作品をもう少し見てみたい・・という思いが募りはじめ、おりしも、札幌にはノグチデザインの公園ができ、香川にも彼のアトリエであった記念館があることを知り、紹介されているものを見ると、わたしのイメージしていたものとは違うのですね。和紙の灯りなどとてもやさしい日本的なものもデザインしている。

で、今回の展覧会。開催前から楽しみしており、上記のような浅い知識で出かけたのですが、十二分に楽しめた展覧会でした。ノグチは「彫刻は周囲の空間を活性化させ、人間を取り巻く環境を意味あるものに変える力をもつ」と確信していたそう。巨大な作品はなかったけど、それも納得できる展覧会でした。

展示は、展示室からではなく、エントランス・ロビーから始まります。広島の原爆死没者慰霊碑の1/5模型もここ。この慰霊碑プランがアメリカ人であるがゆえに受け入れられなかったというのは聞いています。

展示室は、よくあるように年代別ではなく、第一章 顔、第二章 神話・民族、第三章 コミュニティーのために、第四章 太陽とテーマ別に分かれています。これについては、横浜美術館のサイトブログの最初の記事に説明されています。

わたしの行った日は、学芸員さんの日曜美術鑑賞会(展示解説)のあった日、彼の生涯や作品について説明してくださいましたが、とても明るい学芸員さんで、軽妙な語り口での1時間半は楽しい時間でした。

彼の生涯についてはある程度は知っていたものの、進学した医学部で野口英世(親戚ではありません^^;)に、「お父さんのようなすばらしいartistになりなさい」と言われたとか、両親の籍は入っておらず、父にはノグチの名を名乗ることを拒絶されたとか、そういったエピソードは初めて知りました。それに、作品「ラジオ・ナース」は、剣道のお面だとか(ホントだ!)、滋賀県美の所蔵である「幼年時代」は少年のイガグリ頭だとか(ホントだ!)、アカリは岐阜提灯だとか(なるほど・・・)。瀬田のこの美術館は遠いので、レクチャーに参加すると時間かかるな〜とちょっと思案したのですが、行ってよかったです。

イサムノグチの生涯を書かれたドウス昌代さんの講演も9月にあるそう。今回の展覧会ですっかりノグチのファンになってしまったので、行きたいけど遠いな〜・・・・(; ;)

関連の映画「近代彫刻の巨匠たち」も上映されるようですので、これから行かれる方はサイトで予定をチェックしてから行かれたら盛り沢山でより楽しめるのでは?

滋賀県立近代美術館
exite ismの「もっと知りたいイサムノグチ」 

9月29日から11月12日まで高松市美術館に巡回します。

  
「素顔のイサムノグチ」については、松岡正剛さんの「千夜千冊」にも記事がありました。コチラ

ホットコーヒーケーキ
以下備忘録がわりにとりとめもなく書いてます。


まず「顔」
ここからかなり面白かったです。
最初に共感してしまったのは、米国人の女性の顔の次に、日本人の顔が展示されているのだけど(名前はすっかり忘れてしまったけど、伯父さんちの御手伝いさんでしたか?)、彫りの深い米国人の顔に比べて、あきらかにぺたんとのっぺりした日本人の顔。
もうン年前、イギリスに少し滞在した時に、あとから旅行に来た姉を空港まで迎えに行ったのだけど、その時の印象がまさにこれ!彫りの深いヨーロッパの人たちの顔ばかりみてると、姉の顔がものすごーく「ぺた〜ん」に見えたのです・・・A^^; ノグチも同じような体験したのかな、とおかしくなる。

それにテラコッタの「えらやっちゃほい(金太郎)」と名づけられた人形。最初に日本に帰ってきた頃つくったらしい。ユーモアある〜けっこうノグチって面白いひとだったのか・・・

次に「神話・民族」。
ノグチは、世界各地の聖域や古代遺跡を訪ね歩く旅をしたそう。国籍や民族の違い、時代を超えて、人間の精神の根源にある共通分母を追求するためだったという。最後に「世界はひとつであり、有史前のものはどこのものでも似通っている、直接見るものの心に語りかける普遍的な言葉こそ、オリジナルな芸術だという確信を得たそう。

このなかでは、やはり一番引かれたのは日本のもの。

「夢想国師の教え」
ひとめで龍安寺の石庭を連想します。これ上記横浜美さんのサイトによると、石をどう置くかの指定はないのだそうです。面白いな〜

埴輪を思わせる「かぶと」もかわいい五月人形のよう。
平たい金属の板で作られた「能楽師」や、日本のものではないけれど「オルフェウス」はすごく納得する作品。なるほど、緊張感のあるあの舞台にたち、最小限の動きで迫力を出し様々なものを表現する能楽師であるといわれても納得してしまう。
「オルフェウス」は、これ竪琴じゃないの?と思えるような。寂しげなこの形は、黄泉の国まで妻を捜して降りていくオルフェのようでもあり、妻を慕って竪琴を奏でるオルフェのようでもあり、黄泉の国に行ってしまった妻の影のようでもある。

次には、マーサ・グラハムの舞台のために作ったという舞台セット「暗い牧場」。シンプルな花咲く枝はほのぼのする。これどういうダンスだったのだろう。白黒の映像が流れていたけど、ちょっと見ただけだったのでよくわからない。昔の、正面からのロング撮影で45分。時間があれば見てみたかったな〜

彼のテーブル&ソファも置かれていた。↑のexite ismにも掲載されているfreeform sofa,ottoman & coffee table。流れるような曲線で、ほっとしそうないいライン。ソファとしては使い勝手は悪そうだけど、こんな家具達を居間においておいたら、まわりの空気がかわりそう。

次に、コミュニティーのために。
大戦時代の「死(リンチされた人体)」や骨を思わせる「英雄たちの記念碑」は、戦争へのノグチの明確なメッセージ。社会に対してアーティストは何ができるか考え続けたノグチらしい。

圧巻は、最後の「太陽」のコーナー。
壮絶な人生を歩んできたのに、このひとの作品はなんと豊かで力強く温かいのかと驚く。

ポスターにもなっている「下方へ引く力」や「キューブの生命#5」には、最初に「能楽師」をみたからか、能を感じるのだけど・・・。これらも最小源の動きで力を動きを感じさせてくれる。少し上にあがっているだけ、少し横に流れているだけなのに。「下方へ引く力」は、「下方へ引く力に逆らって上方へいく力」にも見える。

「母子像」
すばらしく愛にあふれた作品。この石のやわらかな薄紅色は母のイメージなんだろうな〜。

「雨の山」
これ水墨画じゃ・・・

「見えるものと見えざるもの」
どちらのカタチが「見えるもの」で「見えざるもの」なのか考えてみると面白い。色々考えさせられて楽しいこと・・・

「真夜中の太陽」
この圧倒的な力はなんだろう! でも、ほっこりまわりのものを包み込むような元気づけるような力。

大満足の展覧会でした。1週間たってしまったので、今思い出せないものもある〜ーー; ノグチの大ファンになってしまったので、またこういう展覧会があるといいな。

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2009.03.13 Friday 21:35
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コメント

2004年、イサム・ノグチ生誕100年記念の時に岐阜で開かれた展示会に行きました。
私も「灯シリーズ」が好きで、1つ持っていますが詳しい事までは知りませんでした。
ましてや、かの有名な李香蘭こと山口淑子さんと結婚した事があったなんてことも全く知らなかったです。
| そばの横好き | 2006/07/25 12:07 AM |
また先を越されました。東大阪の浮世絵展以来悉くでなんか悔しい。

作品から作家自身を強烈に感じとることができる人ですね。さらに深くイサム・ノグチに触れたいのなら牟礼のアトリエ訪問をお奨めします。対峙するにはかなり気合いがいりますが。
短時間のツアーなのにへとへとになったのを覚えています。
| NOLI | 2006/07/25 9:33 AM |
☆そばの横好きさん
そばの横好きさんもお好きだなんて嬉しいです^^ アカリお持ちなんですか〜いいな〜 アカリは展示室を出たところで販売してました(笑)いろんな種類があってそれも楽しんでしまいました。

山口淑子さんはもう何年も前に自伝のドラマがあってそれを見たのですが・・・沢口靖子さんが主演した。わたしも写真とそのドラマぐらいでしか知らなかったのですが、昔の写真など見るとほんとに綺麗なひとですよね〜 NewYorkで知り合って・・ということですから、日本ともうひとつの国の間で苦しんだもの同士、惹かれあうところがあったのかしら?と想像をたくましゅうしてました。ドウスさんの書かれた本も読みたくなってきました〜^^


☆NOLIさん
ふっふっふ・・・またまた先を越しちゃったぜ!勝った〜^○^V

・・・・・というのは冗談ですが、浮世絵展もいかれたんですか!あれよかったですね〜 でも、結局津田さんの写真展はメゲてイケませんでした〜。もったいなかったかな〜(--;
牟礼のアトリエも行かれたんですか!いいな〜金毘羅さんに行った時無理しても日程調整して寄ってくればよかったと思ってます。でもまた行こう!エネルギーためて気合入れていきます!p(^^)q
 
| こいちゃ | 2006/07/25 8:36 PM |
大津に来られたって言うのは、こちらの為だったのでしょうか?
お疲れさまでした。結構不便なところなので気の毒な気がします。

自宅から車だと10分 自転車で30分?
バス、電車、バスだと1時間強と言う微妙な場所です。

県立近代美術館では見たい展示があること多いのですが、そんな距離なのでついつい行きそびれてしまいます。
| yume | 2006/07/25 9:39 PM |
☆yumeさん
そうです!このために行きました!もうひとつ寄ろうと思ってたのですが、結局ここで長々居ました(笑)いいとこですね〜緑がいっぱいで。展示も色々考えられていていい美術館だなあと思いました。同じ大津でもそんな不便だと行きにくくて残念ですね〜。
| こいちゃ | 2006/07/26 11:42 AM |
去年、札幌に行った時、
イサム・ノグチの公園が完成していて、
でも地元のひとは「がらんとして、つまんないよ〜」なんて言ってましたが、時間が無くて寄らず、後ろ髪をひかれたことがあります。
東京のどこかの美術館に、大きい作品も展示されてた気がしますが、観ていません。
こいちゃさんのレポートを読んで、そのうちになりますが、イサム・ノグチの作品を観よう!と思いましたよ。
原爆の記念碑は、日米の血が流れているからこそ、イサム・ノグチの作品だったらよかったのに、と前から思っていました。
その人生にも強く惹かれますよね。
何か、いい本があったら読んでみたいと思います。

やっと暑い夏の到来のようですね。
どうぞ、こいちゃさんも、よい夏をお過ごしください。
| AZUKI | 2006/07/26 1:41 PM |
☆AZUKIさん
ぜひ一度見に行ってください!
東京では現代美術館で去年展覧会があったようですね。常設で置いてるのはどこかしらないんですが・・・
ドウスさんの本も面白そうですが、素顔のイサムノグチも面白そうです。↑に追加であげておきますね。

急に暑くなりましたね。今日はバテてました。AZUKIさんもお身体にきをつけて。よいご旅行を!ブログ再開楽しみにしてます。
| こいちゃ | 2006/07/27 12:09 AM |
イサム・ノグチさんの作品はまだ写真でしか見たことがないんですけど(多分。実は身近にあっても気付いてないだけかも...)、シンプルな造形なのに存在感がすごくあるモノが多いみたいですね。
イサム・ノグチさんの作品には、今も子供が実際に遊んで使っている遊具なんかもあるとか。
(札幌市東区 モエレ沼公園
http://www.sapporo-park.or.jp/moere/ )
「芸術作品で遊ぶ子供達」...実際の場面はほのぼのとしたイイ感じですけど、字面だけ見るとコワイ子供達だ(笑)
| ぢぇみに | 2006/07/29 11:26 AM |
☆ぢぇみにさん
時間が許せば是非行ってみてください!^^
色々想像(妄想か?)できる作品が多くて、わたしにはすっごく楽しかったです。
展示のなかにも公園の模型がいくつかありました。孤独な現代人が共有できるcommunityの場として作りたいという思いがあったようです。モエレ沼行ってみたいです!でもそれこそ遠いですよね〜。わたしもノグチで遊びたい〜^○^
| こいちゃ | 2006/07/29 6:48 PM |
わたしも行って来ました。
イサムノグチ作品。
感覚的なような彫刻も非常に計算されているという印象…。

じっとみてて、しんどくない。分かりやすい。
シンプルで力強いが、鑑賞者に考える余白がある。
変に圧倒しない。

公共でに置かれれば
好きになる人が沢山いそうな作品だなと。

私も小規模ながら、新たな発見があって
よい展示だな思いました。

子供は美術館裏の池のコイ(とカメ)の方が印象に残ったみたい…。
| robo_labo | 2006/07/30 2:30 PM |
☆robo_laboさん
コメント&TBありがとうございます!
robo_laboさんの感想こそ、すごくわかり易い!
新しい発見です^^
池にカメもいましたか?(笑)
あそこも水と親しめるいい水辺になってましたよね。わたしが行ったときは水辺にすわってぼ〜っとする男性がひとり。あまりにも気持ちよさげなので、遠慮して近づかずに帰ってきました^^
| こいちゃ | 2006/07/30 10:04 PM |

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